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イグニッションアナライザー
波形表示例

カイセのイグニッションアナライザーKG-300の波形表示例を、故障個所別に詳しく解説します。
イグニッションコイルの原理や、イグニッションアナライザーKG-300の使い方は、下記の記事をご参照ください。

■関連記事イグニッションアナライザーでイグニッションコイルの不良をチェック

■使用するテスター

イグニッションアナライザー(型式:KG-300)
  • 車両に起こる症状

    ●アイドリングが不安定
    ●エンジンがカタカタ震える(エンジン始動直後の冷間時が特にひどい)
    ●加速が悪い
    ●坂道で力が出ない感じがする
    ●燃費が悪くなった
  • テスター表示

    ●測定モード:点火時間
    ●表示タイプ:波形表示
    正常時(点火時間が長い)と異常時(短い)を頻繁に繰り返す。(バタつき、波形が暴れる)
    表示例の写真です 同一気筒で繰り返す 表示例の写真です
  • 燃焼室内で起こっていること

    プラグの中心電極で火花が飛んでいるときは、点火2次電圧(要求電圧)が低く、点火時間が長い。
    プラグリーク(奥飛火など)が発生したときは、点火2次電圧が高く、点火時間が短くなる。

    エンジン冷間時は、混合気やエンジンブロックなどの温度が低く、プラグ着火性能が比較的低いため点火時間が安定しない傾向があるが、エンジン暖気後や2,000~3,000rpmのレーシング時に点火時間が安定しない傾向がある場合は、プラグ劣化が進んでいる可能性が高い。

    奥飛火などのプラグリークが発生した場合、中心電極以外で火炎核が形成されるため、平均有効圧力の低下となり加速が悪くなるなどの症状が現れる。
  • そのままにしておくと…

    継続してイグニッションコイルに大きい負荷がかかることで、イグニッションコイル故障の恐れがあるため、プラグ交換をおすすめします。
  • 車両に起こる症状

    ●アイドリングが常に不安定
    ●エンジンがうなる
    ●加速が悪い
    ●坂道で力が出ない
    ●燃費が悪くなった
    ●エンジンストールする
  • テスター表示

    ●測定モード:点火時間
    ●表示タイプ:波形表示
    点火時間が短く、点火2次電圧が高い状態を表示し続けます。
    表示例の写真です
  • 燃焼室内で起こっていること

    イグニッションコイル内の絶縁崩壊により、ブーツ部などからエンジンブロックなどに電気リークが発生すると、点火2次電圧(要求電圧)が非常に高くなり、点火時間は非常に短くなる状態が継続する。

    通常の点火2次電圧が10~30kVの場合は、50~100kVの点火2次電圧が常時かかる。その際、点火時間は1ms前後の短い状態が継続する。

    また、アイドリング時は問題なくても、2,000~3,000rpmのレーシング時になると点火時間が極端に短くなり(1ms以下)、点火2次電圧が急激に高くなる傾向がある場合は、イグニッションコイル不良の疑いがある。
  • そのままにしておくと…

    運転途中でエンジンストールによる立ち往生などの恐れがあります。同様の現象が他気筒にも現れる可能性がありますので、全気筒のイグニッションコイル交換をおすすめします。
  • 車両に起こる症状

    ●アイドリングが常に不安定
    ●加速が悪い
    ●燃費が悪い
    ●エンジンストールする
  • テスター表示

    ●測定モード:点火時間
    ●表示タイプ:波形表示
    波形中央の波の部分(減衰部)が見られません。なだらかな坂道を下るような波形に見えます。
    表示例の写真です
  • 燃焼室内で起こっていること

    イグニッションコイル内の2次コイルのレアショートにより、通常はプラグ着火後にコイルの特性で見られる減衰が完全になくなってしまっている。

    この時、点火2次電圧(要求電圧)は高くなる傾向となる。

    また、誘導電圧が通常よりも高くなるとともに、点火2次電圧(要求電圧)も高くなる傾向がある。
  • そのままにしておくと…

    運転途中で急に加速が悪くなるなどの症状が現れます。すでにイグニッションコイルが故障しており、同様の現象が他気筒にも現れる可能性がありますので、全気筒のイグニッションコイル交換をおすすめします。
  • 車両に起こる症状

    ●特に異常は感じない
    ●若干燃費が悪くなったように感じる
  • テスター表示

    ●測定モード:点火2次電圧
    ●表示タイプ:波形表示
    アイドリング時、点火2次電圧波形の前部分に特有の波形が現れるが、その波形が無い。
    表示例の写真です 表示例の写真です
  • そのままにしておくと…

    イグニッションコイル故障の初期段階です。定期的な点検が必要です。
    気になる場合は、イグニッションコイル交換をおすすめします。
    ※イグニッションコイルが定電流制御を行っている場合であり、全ての車両には該当しません。
  • 車両に起こる症状

    ●アイドリングが不安定
    ●燃費が悪い
    ●エンジンストールする
  • テスター表示

    ●測定モード:点火時間
    ●表示タイプ:波形表示
    波形中央の波の部分(減衰部)の手前が、正常時より右上に立ち上がるような波形が見られる。
    表示例の写真です 表示例の写真です
  • 燃焼室内で起こっていること

    インジェクターの異常により燃料が希薄状態になると、プラグでの点火エネルギーが混合気の燃料で使いきれず、減衰部の直前で右肩上がりのように変動が見られる。

    この時、点火2次電圧(要求電圧)は通常よりも高くなり、点火時間は若干短くなる傾向となる。
  • そのままにしておくと…

    多くの燃料を噴射するため燃費の悪い状態が続き、アクセルを緩めた際にエンジンストールしそうになったり、エンジンストールしてしまうエンジン不調が続きます。
    最悪の場合エンジン始動ができなくなりますので、燃料系統の診断をおすすめします。
  • 車両に起こる症状

    ●エンジンがかかりにくい
    ●アイドリングが不安定
    ●加速が悪い
    ●坂道で力が出ない
    ●排気ガスが臭い
  • テスター表示

    ●測定モード:点火時間
    ●表示タイプ:波形表示
    エンジン回転数を2,000rpmくらいにすると、スパークラインにノイズのような歪んだ波形が見られます。
    表示例の写真です 表示例の写真です
  • そのままにしておくと…

    徐々に悪化しますので、エンジン異常の症状が顕著に現れるようになります。
    他の不具合と重なっていたり判断しずらいので、詳しい故障診断が必要です。
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